喪中の方へのお歳暮はどうする？控えるべきケースと代替案
年末のご挨拶として贈るお歳暮。
毎年欠かさず贈っている相手が「喪中」となった場合、
「今年は控えた方がいいの？」「いつ再開すればいいの？」と迷う方も多いのではないでしょうか。
お歳暮は“お祝い事”ではありませんが、時期的に年末年始のご挨拶と重なるため、
喪中の時期には慎重な対応が必要です。
この記事では、喪中の方にお歳暮を贈る際のマナーや控えるべきケース、
代わりに気持ちを伝える方法をわかりやすく解説します。
■ そもそも「喪中」とは？
「喪中（もちゅう）」とは、家族や親族を亡くした後の一定期間、故人を偲んで慎ましく過ごす期間のこと。
一般的には「亡くなってから一年間（忌明けまで）」が喪中とされます。
宗教や地域によって異なりますが、多くの場合は四十九日（忌明け）までは慶事を控える期間とされています。
■ お歳暮は“お祝い”ではないが、配慮が必要
お歳暮は「感謝の気持ちを伝える贈り物」であり、お祝いごとではありません。
そのため、喪中であっても贈ってはいけないという決まりはありません。
ただし、贈るタイミングや表現方法に注意する必要があります。
喪中の方が故人を亡くして間もない場合、
年末の華やかな贈り物が“気持ちの整理がつかない時期”に届くと、かえって負担に感じさせてしまうこともあります。
■ お歳暮を控えるべきケース
① 四十九日（忌明け）前の場合
忌中の間（故人が亡くなってから49日間）は、慶事や贈答行為を控えるのが一般的です。
この期間中に贈るのは避けましょう。
→ 四十九日を過ぎた後であれば、「お歳暮」として贈っても問題ありません。
② ご家族が深い悲しみの中にある場合
亡くなって間もない時期や、まだ気持ちの整理がついていない様子であれば、お歳暮の贈呈は控えるのが思いやりです。
この場合は、年が明けてから「寒中見舞い」などの形で改めて贈るのが丁寧です。
③ 相手の宗派・地域によって控えた方がよい場合
仏教では忌明け後に贈っても問題ないとされていますが、神道や一部地域では「一年間はお祝い事・贈答を避ける」という考えもあります。
相手のご家庭の考え方がわからない場合は、共通の知人や会社を通じて確認するのが安心です。
■ 贈る場合のマナーと注意点
① のしは「御歳暮」ではなく「御供」や「寒中御見舞」に変更
喪中の方に贈る際は、“お祝い事ではない”ことが伝わる表書きを選びましょう。
| タイミング | 表書き | のしの種類 |
|---|---|---|
| 四十九日後〜12月中 | 御歳暮（控えめデザイン） | 無地のし、または白無地短冊 |
| 年明け（1月7日〜2月上旬） | 寒中御見舞・御供 | 蝶結び・無地のし |
※黒白の水引は「葬儀用」なので、お歳暮では使用しません。
② 華美な包装や派手な贈り物は避ける
喪中の方に贈る場合は、控えめで落ち着いた印象の品を選びましょう。
- モノトーンやシンプルな包装
- 鮮やかすぎるリボンや金色の装飾は避ける
- メッセージカードも穏やかな文面に
③ メッセージは「お悔やみ＋感謝」の気持ちを添える
贈る際は、形式的な文章よりも、相手の気持ちに寄り添った言葉を添えるのが大切です。
このたびはご愁傷さまでございました。
一年のお礼を申し上げたく、ささやかではございますが品をお贈りいたします。
寒さ厳しい折、ご自愛くださいませ。
■ 喪中の方への代替案：寒中見舞いや御供として贈る
お歳暮のタイミングを逃したり、「お歳暮として贈るのは控えたい」と感じた場合は、年明けに“寒中見舞い”として贈るのがおすすめです。
● 寒中見舞いとは？
1月7日（松の内が明けた後）〜2月上旬にかけて、「寒さの中で体を大切にしてください」という気持ちを込めて贈るご挨拶です。
喪中の方にも失礼がなく、自然に感謝を伝えられる方法として最適です。
● 表書き
「寒中御見舞」または「御供」と書き、白無地ののしを使用します。
● おすすめの贈り物
- 和菓子・お茶・コーヒーなど落ち着いた品
- 常温保存できる食品
- 消耗品（タオル・石鹸など）
- 故人を偲ぶ花やお供えにも使えるフルーツゼリーなど
■ 喪中の方にお歳暮を贈る際のタブーまとめ
| NG行為 | 理由 |
|---|---|
| 忌明け前（49日以内）に贈る | 慶事とされる行為になるため |
| 派手な包装・赤金のリボン | 不祝儀の時期には不適切 |
| 「お祝い」や「幸せ」などの表現 | 遺族に配慮が欠ける印象に |
| 高額な贈り物 | かえって気を遣わせるため |
喪中の方へのお歳暮は、“形式”よりも“思いやり”を重視することが何より大切です。
🎁 お歳暮・ギフトに迷った方へ
■ まとめ：お歳暮は「感謝を伝える行為」だからこそ、心を込めて
お歳暮はお祝いではなく、感謝の気持ちを伝える贈り物。
そのため、喪中の方にも贈ってはいけないわけではありません。
ただし、
- 忌明け前は控える
- 華美な贈り物は避ける
- 「寒中見舞い」など代替表現を使う
といったマナーを守ることで、相手に誠実な印象を与えられます。
故人を思いながらも、「今年もお世話になりました」という気持ちを静かに丁寧に伝える――
それが、喪中の時期にふさわしいお歳暮の形です。